いつかの夜の薔薇。

明日は、こんなふうに色々な薔薇を連れて帰りましょう。


髪を切る。

店長さんは相変わらずカットが素晴らしい。

奥さんが戻ってこれてよかった。

事実婚で、子供二人がいるのだけれど、店長さんも奥さんもオーストリアの国籍ではないから、去年の12月に滞在許可の延長が認められず、奥さんと子供二人が国外退去になってしまった。

問題を起こしたくないから、言われる通りにすることにしたんだ、ちゃんと書類などを準備して、また戻ってこれるようにするよ、という話を聞いていた。

その日は、携帯越しに、エジプトの海辺から手を振る奥さんと話したりもした。

ちょうど私も滞在許可の切替を申請していたので、他人事ではなかったし、事実婚だと子供は基本的にお母さんの姓を名乗ることになるのだけれども、オーストリアで生まれたのに子供も国外退去になってしまうんだ、と残酷な現実にショックを受けた。


店長さんがちょっとスリムになって、元気になっていてよかった。

仕事においては、相変わらず厳しくて、私は怒っていないのに、私のことに関することでミスをしてしまった女性のスタッフが厳しく怒られていて、私が萎縮してしまった。

そして、理由は聞かなかったけれど、トップスタイリストの人がお店を辞めていた。

サイトからも経歴が削除されていた。


自信があって、でも正直なところ、少し問題のあった人。


今日は、ヘアカラーを担当してくれた人の身の上話を聞く。

弟さんが家を買ったそうなのだけれど、離婚することになった建築家夫妻の家で、財産分与のために銀行が競売にかけたのだそう。

その家は、夫妻の作品で、まだ未完成だった。

いつかのために自宅内に直接通じるエレベーターを作り始めたところだったそう。

コロナのことがあり、四六時中一緒にいたら、関係が壊れてしまったらしい。

ただ、その土地や家を建てた金額、それからその家に投資した金額と売値にとても大きな差が出てしまったらしく、なぜか、奥さんが激しい破壊行動に出て、元々あった美しいあれこれを壊してしまったらしい。

その一つが台所。


わざわざ壊さなくても良いのにね、とそのヘアカラーを担当してくれた人は言っていたけれど、奥さんにはそうしないとどうにもならない理由があったのだと思う。

弟さんは、今、そのなくなってしまった台所を新しく作ってもらっているところなのだと話していた。


ものすごく特殊な家らしく、三階建てで、そのうちの二階がガラス張りで、よく日に焼けるらしい。

作業をしている弟さんは、真っ黒に日焼けをしているらしい。

笑ってはいけないのだけれど、このコロナにあっては健康的なのでは、と二人で笑う。

太陽光を浴びないと鬱になりやすくなるらしいし、ビタミンB(?)は太陽光を浴びないと体の中に作られないらしいよ、とか、色々。


それと、そのヘアカラー担当の人はものすごく話をすることが好きな人らしいのだけれど、電話をぱったりしなくなったと言っていた。

どうしてかしら、なんだか人がどんどん遠くなるのよ、だから、ここに来て、同僚と話ができて嬉しいの。

あなたはどう?電話、しなくなるとかない?と聞かれる。

元々人と話すのはあまり好きではないので(もっぱら聞く方)、電話をかけたいという気持ちにはなりにくいけれども、確かにねえ、と思いつつ話を聞く。


人が遠くなると言うのは、すごくよくわかる。

12月、1月に雪が降った日のことが忘れられない。

大して積もるような雪でもなかったのに、隔離された感じが酷かった。


その人は、ロックダウンが続くと、みんながみんな、胡桃の殻の中に閉じこもったみたいになるわね、と言っていた。

それは、わかるなあ。


それと、先の建築家夫婦だけでなく、やっぱり、コロナのために離婚が増えていると話していた。

急に一つのところに押し込められたら、パーンと離れてしまうのよ、とその人は言っていた。

一人で胡桃の殻の中に閉じこもるのも辛いけれど、二人で胡桃の殻の中に閉じこもって、険悪になってしまったら、一人で孤独でいるよりも孤独が深いだろうと思う。

誰かと一緒にいるから孤独でなくなるということは人間にはないと思うけれど、それでも好きな人との間によくない空気しか作れなくなってしまったら、その悲しみは一人で孤独を抱えている以上に辛いものだろう。


コロナのことがなければ、1日に数時間一緒にいるだけで、その時間を素敵に過ごせていたら、この先も続いた関係だったかもしれないのに、と思うと、建築家夫妻のことも知らない人たちだけれども気の毒に思う。


とはいえ、私もコロナやロックダウンにはかなり影響を受けている自覚があるので、早くワクチンを摂取して、もう少し流動的な世界に戻りたい。

心から柔軟性が失われていて、とりわけ落ち込んでしまった時の弾力性がすっかり失われている自覚がある。

切実に楽しいことをしたい。

レストランで食事をしたい。

カフェでお茶をしたい。

もっと移動できるなら、旅に出たい。

私にはとても、とても大切な時間。


今だからこそ学べている自分の弱点というものもあるので、そこは真摯に向き合い、自分を作り替えたい。



今日も良い1日でした。


エジンバラ大学のお庭。


今日も検査を受けて、陰性。

しかし、週3回、住んでいる建物の中で検査を受けられることは本当にありがたいことです。

結果はメールで送られてくる。

ありがとう、ありがとう、ありがとう。

感謝しかないです。


晴明の本が完成したよ、と編集者の人からメールをもらう。

とても良い感じらしい。

小さな本なのだけれども、自分の中ではこの本のドイツ語が私の今の集大成なので、一つの節目を迎えた感じがする。

発送の手配をしましょう。

切手はもう選んだのです。

私の大好きなあの人がモチーフの切手です(去年の記念切手なのかな)。


今日も今日とて仕事。

ちょっと疲れてきたけれども、頑張りましょう。


まだ、夕方だけれども今日も良い1日でした。


美容院の予約を入れる。

今度はいつもよりも短く切ってもらおうかな。

さっぱりしたい。


ウィーンは朝からずっと強風が吹いている。

煙突に風が吹き込むとボイラーがストップしてしまうのだけれど、案の定、朝、シャワーを浴びていたら、止まって、途中から水が出て、大笑いする。

風が吹き荒れるのはなぜか好きで、玄関の扉と窓の全てを開けたら、全く影響を受けないはずのブレイカーの扉が床に落ちて、なぜだろうと思い、大笑いする(扉のネジが全てなくなっていて、ただ、嵌っていたことを初めて知る)。


こう書いていると変な人みたいだけれども。


今日も仕事。

今週は、晴明の本が届きますように。


今日も穏やかな良い1日に。

​Autorin 
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