1. Juli 2020 II
デモでトラムが走らず。
また、タクシーに飛び乗る。
3月8日の電話の履歴を見つけて、この日も同じことをしたのだな、と思う。
タクシーの運転手さんは、アフリカ系移民の人だった。
「最近、デモばっかりで、嫌になっちゃうよね」と言われて、「本当にね」と答えるも、この返事で良かったのかな、と少し考える。
私はウィーンで人種差別に遭ったことがない。
遭ったのは今のところロンドンのバーバリーのみ。
それも、おそらく私にではなくて、団体客で来ていたアジア系の人たちに向けての言葉だったのだけれども、英語がわからないと思っての発言だったのか、店員同士の会話としてはあまりに失礼だったので抗議した。
差別というか、主義なのだろうと思う。
階級主義、人種主義。
イギリスもまたこの問題は根が深い。
単純な意識の問題ではなくて、社会制度、文化の問題。
オーストリアは歴史的に植民地を有したことがない。
その点での歴史の負の遺産がないと言える。
もともと多民族・多言語国家であることも、現在の国民性に反映されているように思う。
現政権の右寄りの発言には多少どうなのかな、と思うことがあるけれども。
そんなこんなで少し遅れて到着したら、下まで降りて、待っていてくださった。
こういう時に心が洗われる思いがする。
お茶をいただきながら、あれこれお話をする。
なぜか、また恋愛の話になるけれども(一般的な話)、私が好きになる人は一貫して強い人ですね、というお話をする。
必要な時には一人でも戦える強さ。
それがその人の優しさだと知っている。
純粋で、不器用で、損ばかりしているぐらいがいい。
立ち回りが上手い人のことは滑稽に思うことがあっても、人としての色気を感じることはないから、決して好きにはならない。
ある雑誌への寄稿の依頼をいただく。
受けましょう。
天気が荒れ始めたけれども、今日も良い一日でした。