2. Mai 2020
『魔女の宅急便』は書庫から寝室の本棚へ移動。
管理が悪くて、書庫の日に当たるところに置いていたので、背が焼けてしまったけれども。
14年前に亡くなった友人に言われて、読んだ本。
日本語がとても美しいから勉強になるわよ、映画のキキやトンボさんより二人はずっと大人で素敵だから、と勧められた。
「5巻を読む時間はもう私にはないから、あなた、私の代わりに読んでね」と言われたのだった。
その年の前の三月に日本に戻って、亡くなる前に荷物を整理したいという彼女の荷物持ちとして一緒に飛行機に乗って、ご実家に伺い、1週間ぐらい一緒に過ごしたのかな。
これが彼女に会えた最後で、お互いこれが最後だとわかっていながら「またね」とお別れをして、その後、彼女は入院して七月に亡くなった。
一緒に年を重ねたかった友人。
重ねられなかったから、心の中で一緒に生きている。
亡くなっても、その人の居場所は心からはなくならないのよね。
今、5巻を読むと、書かれていることも表現も大人だな、と思う。
二人がすれ違うあり方もよくわかるけれど、素直になった時の二人の言葉のまっすぐさになぜか慌てて、ドキドキする。
そして、この慌てる感覚に身に覚えがあって、自分の苦手なことを知り、ガーンとうなだれる。
今日も穏やかな良い一日に。