Bill Evans
ビル・エヴァンスのピアノの音色は、甘露のよう。
見るからに完璧主義な芸術家だったと推察されるけれども、彼も薬で身体を壊してしまったのよね。

思うところがあって、眠れなくなってしまったので、夜に考えごとをしながら香水の瓶を磨く。
この二つはウィスキーみたいだな、と思いながら。
とりわけココ・ノワールは、スモーキーで甘さが際立つ夜の香り。
ビル・エヴァンスのライブ映像などを見ていると、昔の方が「大人」の愉しみというものがあったのではないかな、と思う。
大人になるというのは、年を取るというのとは違う。
大人になるというのは、心も格好良くすることかもしれない。
大人とは、心を鍛えている人。
心を鍛えると、深く愛すること、慈しむことができるようになる。
そこから大人の装いや振る舞いというものが生まれるのではないかな。
なんだか、美しいものにとても餓えている。