Neuigkeiten: Publikationen

本のことでお知らせがあります。
9月のウィーンでの講演会はこちらの本についてです↑

売り切れてしまった本は、こちら(古代日本の陰陽五行説と道教の受容について)↑(増版できるかな。確認してみます)(この本では、中国語の典籍などもドイツ語に訳しています)

こちらは、増版されることが決まりました↑

増版されることが決まった史料集のドイツ語の方は、現在校正中です。
9月にIudicium Verlag / OAG in Tokyo から出版される予定です。
このドイツ語は、とにかく特殊なので、日本語訳と比べて読んでいただければ、言語的な側面でも面白く読んでいただけると思います。
基本的に文法がでたらめ、
19世紀の地方のドイツ語、
前置詞が間違えている、
よく動詞が抜ける、
格変化が間違えている、
辞書に収録されているない語彙が頻出する(造語であることが多い)、
フランス語、英語、イタリア語などが紛れていて、そのスペルが間違えている、
中国語の音を拾って、ローマ字表記されている、
しかも、それらの外国語は間違った用法で使われている、
そして、全体的に子供の文体である。
これで、風景や事実が描写されている。
こうなると、ドイツ語の母国語話者の人にも厳しいのです。
これをわかりやすい日本語に訳せるまでに、5年かかっています(ずっとこの仕事にだけ従事していたわけではないけれど)。
語学は才能だとか言われるけれども、そんな馬鹿な話はなくて、ひたすら学んでいるんですよね。
才能に見えたりするもの、センスや直感なんてものは、深く、深く潜った場所で得られる閃きなのだと思います。
その深さで、理解力が決まるのだと思う。
たまに語学ができる人による語学マウンティングのようなものがあるけれど、あれは語学を始めたい人には弊害でしかない。
とりわけ子供や若い人には、語学は学べば必ずできるということを伝えたい。
私もバイリンガルで育ったわけではないもの。
話すこと、聞くことだけは身体能力だから、訓練が必要だけれど、良いところまでは必ず行けます。
それを言いたくて、訳したような本です。
なお、Hans Kühneに関する本、Kaiserin Elisabethに関する本は、国会図書館の方に収蔵していただけることになりました。
感謝。
ありがたいです。
多くの方にお手にとっていただければ嬉しいです。
宮田奈奈