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encounter

面白いに人に遭遇する率が高いので、ちょっと書いておこう。

最近会った面白い人たち。

外を歩いていると、必ずと言って良いほど道を尋ねられるのはなぜだろう。

いつもボヤっと空を眺めたりしているから、急いでいるように見えないのかな。

怪我をする前の週に、横断歩道を渡っていたら、えらく派手な女性二人に声をかけられた。

ドイツの人のドイツ語を話していた。

スーツケースを引いていたから、旅行者であるのは、すぐにわかったのだけど、

横断途中に道を聞かれて、ちょっと慌てたのだった。

聞くと、いつもヒルトンに泊まっているからタクシーをヒルトンで降りちゃったのだけれど、

今回はリッツ・カールトンに泊まるのだったと気づいて、と言う。

きっと近いから歩いてしまえと思ったのだけど、意外と遠くてさ、歩き出しちゃったら、タクシーも捕まらなくてさあ、と二人で笑っている。

そりゃ、ヒルトンからだと結構距離あるよね、この道をまっすぐ行けばホテルに着けるけど、見える?あそこだよ、ちょっとまだ距離はあるよね、なんて話していたら、信号が点滅しはじめたので、三人で慌てて道を渡りきり。

一人はため息をついて、ヒールの靴を脱ごうとして、もう一人が止めるというコントみたいなことをしていたけれど、終始楽しそうだった。

全身ハイブランドに身を包んでいて、派手で、明るくて、楽しい二人。

結構寒かったのに、額に汗をかいていて、荷物が見るからに重そうだったので、途中まで手伝う。

別れ際、あなた、いい人ね、ありがとう、とウィンクをされた。

仕事で来ている二人に見えたけれど、何の仕事だったのかな。

ちょっとかっこいい人たちだった。

***

入院中は、自宅で怪我をした高齢の人が多い病棟だったからか、

たまに少し痴呆の進んでしまっている女性が遊びに来たりした。

私は完全にベッドから動けなかったので、話しかけられたら断れず。

おかっぱで、病院から貸し出されるワンピース型のパジャマを着ていた女性が二度遊びに来た。

携帯電話を持ってきて、誰も使い方を教えてくれないのだと言う。

私もあまり詳しくないからなあ、わかるかな、と言いながら、電話を受け取る。

どうやらある人に電話をしたいのだけど、繋がらないらしい。

電話番号は登録されているの?と操作しようとするけれど、なにせロックがかかっている。

充電はされているようだし、彼女の電話なのだろうけれど、パスワードなんて知らないというから、ロックが解除できない。

その電話をかけたい人のことを一生懸命説明されたのだけれど、聞いていると、

おそらくとっくの昔に亡くなっているだろう間柄の人。

そこからは、時空が歪むというか、真面目に彼女の話を聞けば聞くほど、

何を見ているのか、聞いているのかわからなくなり、私まで少し別の世界へ行ってしまった。

別の日には、同じ女性から、とある場所に行きたいのだけど、行き方を知っているかと尋ねられた。

全く聞いたことのない地名で、オーストリアではないよね、どの国だろう?と聞くと、国名が答えられない。

ドイツ語圏でも英語圏でもなさそうだけれど、地理的な情報は彼女からは得られず、やはりまた人の話をしている。

その人もまた、間柄的には亡くなっているように思われる人だった。

その地名の正確なスペルもわからず、思いつくスペルで検索してもヒットせず、似たような地名さえ出てこなかった。

そして、話を聞けば聞くほど、また、別の世界へ行ってしまった。

看護師さんが来て、ここはツーリストインフォメーションじゃないんだから、ほら、帰りますよ、と連れて行かれたけれど、彼女がいなくなった後も、しばらく、とても不思議な感じだった。

話は、ものすごく具体的だったけれど、地球にそんな場所は存在しているのかな。

こんなことだったらその地名のメモを取っておけばよかったと思うのだけれど、激痛をこらえるばかりで、その気力がなかったことが悔やまれる。

彼女は、別の日も廊下をニコニコしながら少女のように小走りで移動して、看護師さんに追いかけられれるようなことをしていたけれど、妖精という言葉がぴったりだった。

こういう人がいたから、私の入院はなかなか楽しかったんだよね。

最後に同室になった女性は、朝ごはんの食べ方から、なぜかニューヨークを連想していたら、

本当にニューヨークに住んでいた人だった。

新聞を読みながら、バターを塗ったパンとミルクを入れたコーヒーの朝食を時間をかけてとっていた。

彼女の前の人が、朝からサスペンスドラマを流しっぱなしにして、ごはんを食べる人だっから、人それぞれだなあ、なんて思っていたのだ。

オーストリアのものすごい方言と英語をチャンポンで話す人で、私が外国人だから英語で話そうとしてくれているのかと思っていたけれど、違っていた。

夜中に起きているかのようにはっきりと寝言を言っていたけれど、それもチャンポンだったから。

眠れずに、そのはっきりとした寝言を聞いていたら、彼女はどうやらご主人に話しかけていた。

それで、昼間に彼女と色々話した時に、ご家族のことを尋ねてみたら、ご主人はもう20年も前に亡くなっているという。

ニューヨークでビジネスを始めたご主人についていき、移住し、上海や京都、東京にも行ったのよ、と話してくれた。

今は、お手伝いさんが身の回りのことをしてくれていると言っていた時にちょうど、そのお手伝いさんがお見舞いに来て、家電が全てアメリカ製のものだからプラグがどうのと言っていた。

階段で転落して、骨折して、手術をしたから、何かの薬をずっと点滴で投与されていたけれど、

それが合わなくて嘔吐していた時も、しっかりごはんを食べていたことが忘れられない。

私が痛さで食欲がなくて、とフニャフニャしたことを言ったら、人間食べなきゃだめよ、と一喝された。

***

夏頃には、普段車での移動ばかりで電車に乗らないというご夫婦に地下鉄の切符を買って、ホームまで案内したこともある。

自販機で一人片道2ユーロちょっとの切符をブラックカードで買おうとしていたから、ちょっと驚いて、カードでも大丈夫だけれど、現金は?小銭は?と聞くと、あったかなって、旦那さんの両手に奥さんが小銭を広げていた。

そこから私が必要なお金をとって、チケットを買ったのだけれど、二人で地下鉄に乗ることがチャレンジだったらしく、嬉しそうにしていたのがかわいかった。

アメリカの英語を話す、とても感じの良い高齢のご夫婦だった。

同じ頃、スーパーで、ご夫婦に話しかけられて、常温保存できる低脂肪乳を買いたいのだと言われて、一緒に探したこともある。

これは、私ではなくて店員さんに聞いた方が早いのでは、と思ったけれど、近くに店員さんの姿が見当たらない。

私も普段はそういうタイプのミルクを飲まないので、売り場がわからないんだけど、と話して、手分けして一緒に探すことにした。

結局、製菓コーナーで見つかり、奥さんに両手を掴まれて感謝されたのけれど、話の感じからご主人は外交官の人みたいだった。

今日のうちに買い出しをしておきたいと思って、買い物に来たのだけれど、新居の鍵の受け渡しの時間までまだだいぶ時間があって。

コーヒーにはミルクを入れないと飲めないし、この暑さでしょ、怖いじゃない?どうしようかと思っていたの、だって。

こんな感じの奥さんを大事にする男性って、いい人な感じがするな、と思って聞いていた。

こう書いていると、面白い人たちなのだけれど、かわいい人たちでもあるな。

覚えておこう。

この他にも、教会でインド出身の人から話しかけられたこともあった。

普段は学校の先生をしているけれど、ボランティアで教会の仕事を手伝っている人。

怪我をする10日前ぐらいのことで、今、振り返ると、何か見えていたのではないかと思ってしまう。

11月のうちに必ずまたこの教会で会いましょうね、とプログラムとかお守りのようなものをもらったけれど、入院してしまったから会えていない。

布教に熱心な人なのかな、という程度にしか思っていなかったけれど、今となると、11月のうちにということが特別な意味を持つ。

もっと歩けるようになったら、会いに行こう。

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