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20. September 2020


友人がトラムで身分証明証や保険証など大事なカード類一式を拾い、その中に見つけた持ち主の連絡先と思われる連絡先に電話をしたら延々と怒鳴られたと言う。


その反応がとてもおかしい。

詳しい状況がよくわからないけれども、お礼を言われてしかるべきではないの?


それなのにその友人は、自分の名前と自宅の住所を記載した封筒でその持ち主に郵送すると言うので、それはやめておきなよ、と全力で止める。


おかしな反応をする人に対しても実直に対応するところが敬虔なクリスチャンである友人らしいといえば友人らしいのだけれども、そんな人に個人情報を全て晒すことについては、私の方が気が気でない。

日本でも高齢の人を狙った詐欺が横行していると聞くけれども、高齢の人の判断力が少し低下したところとか、人の役に立ちたいような希望とか、優しさがこんな風に発揮されてしまうと、簡単に犯罪に巻き込まれることがわかる。


日曜日にも開いている郵便局に持って行こうとしているので、喧嘩になりそうになりながら、私がその拾得物を預かる。

今回のことが犯罪に関係するのかどうかは知らないけれども、何かあってからでは遅い。

普通に考えて、その持ち主はお財布を盗まれたか何かなのだろうけれども、それにしたって、その問題に友人が個人的に関与する必要はない。


調べてみると、ウィーンでは今は拾得物を扱う場所は一箇所にまとめられている。

明日、その友人と一緒にその場所に赴き、朝一で届けることにする。

最寄りのトラムの駅から出発しても、往復で40分ぐらいかかるぞ、と思いながら。


この世代の人の頑固なところとか、我慢強いところとか、滅多なことでは病院に行きたがらないところとか、時々、大変だなあ、と思う(私も似たような人間なので、そういうおばあさんになりかねないけれど)。

うちに来た時に、様子が目に見えておかしいのに、大丈夫だと言い張るので、喧嘩になりそうになりながら、有無を言わさずタクシーを呼んで、病院に連れて行ったことがある。

そのうちの一回は骨折で、その場でギプスをつけられていた。

こういうのは我慢しても治りませんよ、と伝えると、人生で初めてギプスをはめてもらったと喜んでいた。


今日も良い天気。

風も素敵。


穏やかな良い1日に。


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