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13. September 2020 II


日曜日も開いているスーパーにメガネのまま買い物に出る。

通りで、結婚式の帰り道と思われる人たちとすれ違う。

ああ、良かったねえ、と私まで幸せな気持ちになる。

ウイルスのことでお祝いごとも難しい時期があったし、もしかすると、これから再びそんな時間が訪れるかもしれない。

今日は少し暑いくらいのお天気の日で、みんな嬉しかっただろうなあ、と思う。


帰宅したら、イギリスの友人からも嬉しいお知らせが入る。

特待生として大学院に進学できることが決まったみたい。

仕事も確保できたようで、ああ、良かったねえ、と泣く。

発達障害に高次機能自閉症と診断されている友人で、とんでもなく頭が良いのだけれども、良過ぎて課題の意図が理解できなかったり、提出期限が守れなかったり、時には教授を論破してしまい、とても苦労している。

頭の良さのレベルが違うんだよね。

自分の特徴にレッテルを貼った精神医学を嫌悪し、心理療法学に進路を見出していたのだけれども、心理療法学は解釈学でしかなくて、彼女の強さに合っていなかったから、彼女が本当に希望していた職業に就くために必要な資格が取得できる教育心理学に進むように勧めた。

スコアで勝負できる学問の方が彼女には合っている。

そして、彼女には、学問を内側から変えることができるだけの力がある。

歴史学で学士号を取得し、心理療法学を学び、そこから教育心理学に進んで、修士号を最高の成績で取得し、晴れてこれから博士課程に進む。

遠回りしていると本人は自嘲気味に笑うけれど、その道での経験が全て意味を持つ日が来ることを私は確信している。

よく頑張ったなあ、と思って、泣けて仕方がない。

彼女は必ず研究者として大成するだろう。

フィンランドに留学したいと話していて、とても良いなあ、と思う。


エジンバラで博士論文を提出した友人も6年かかっていて、その友人から連絡をもらった時も、その道のりを思い出して自宅でおいおい泣いたのだけれども、私は、もうおばあさんなのかもしれない。

歳を重ねれば重ねるほど涙腺が弱くなっていて、どうしようもない。


私の人格の基本は、おばあさんと少年だな、と思う午後。


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